加水分解対策
Wikipediaより
> 反応物 (reactant) に水が反応し、分解生成物が得られる反応のこと。この
> とき水分子 (H2O) は、生成物の上で H(プロトン成分)と OH(水酸化物成
> 分)とに分割して取り込まれる。反応形式に従った分類により、加水分解に
> はいろいろな種類の反応が含まれる。
ふむ…
スポーツ用品で加水分解で困る事のあるものと言えば…
スキー靴がある日突然割れる。テントやゴム製品はべたつく。等がある。
ゴムの加水分解については以下のサイトに詳しく乗っていたので参考にどぞ~
http://www.kyowakg.com/tech/taisui.html
さて、加水分解を抑える手段は対症療法、加水分解が発生した後は原因療法か
諦めるかの二つが考えられる。それぞれについて書いていこうか。
なお、以下の方法を使って問題が発生しても当方は責任とれない事を断っておく。
対症療法か?原因療法か?
割れてしまったスキー靴は元には戻らない。何度も水にふれていくうちに、い
ずれは加水分解は発生する。
対策は対症療法と、原因療法の二つがある。
・対症療法は表面的な症状の消失あるいは緩和を主目的とする治療法。
・原因療法は原因そのものを直したり取り除いたりする治療法。
対症療法
いずれ加水分解が起こりうると考えて、それが発生しにくいように対症する
方法は…加水させなきゃいいんだよ!って事。
例えばシーズンオフのスキー靴は乾燥させ、除湿剤を入れて冷暗所に保管。テ
ント泊後は水気が無くなるまで干してから乾燥させて収納する等により、加水
しないので分解もしない。
それでも経年劣化は発生するので材質がへたるのが先か、加水分解が発生する
のが先になるかだが、とりあえず乾燥させて仕舞っておけばある程度の対策に
なる。
原因療法
こちらはベタツキの話。
素材についた物質が加水分解して酸性物質となりべたついてしまうのが原因
このベタツキは分解してしまった物質なので元には戻らない。
例えばテントのベタつきの原因は防水加工されたウレタンが加水分解したため、
ラバーコーティングされたマグカップも加水分解が原因でべたつく事がある。
ならば取り除いてしまえばいいんじゃね?って話。
実は「加水分解 べたつき」で検索すると困っている人が多いらしく、幾つか
の対策があるようだ。
・アルコールで拭く
・コンパウンドで磨く
・重曹につけてから磨く
・シール剥がしで除去
・ガソリンタンクの水抜き材に漬けてから磨く
等々
上の5つの方法はいずれの方法も加水分解した物質を取り除く原因療法であり
大きく3つに分類される。
・アルコールで溶かして落とす。
-アルコールで拭く
-シール剥がしの成分はアルコール
-ガソリンタンクの水抜き材の成分もアルコール
・削り落す。
-コンパウンドで磨く
・加水分解した物質を、更に加水分解を促進させて落とす。
-重曹につけてから磨く
原因療法を試してみた
丁度手元にゴムコーティングされたタンブラーがあり、ベタベタになっていた
ので加水分解を疑い試しにコレを取り除くことにした。
タンブラーはモンベル四国限定品の黒地のプラスチックに吉野川の激流をラフ
ティングする様をイラストにしたデザインでラバーコーティングしてあるもの。
かれこれ3年程使っている愛用品なのだが、たぶんもう廃番品なので入手困難に
なっている筈。
アルコールで溶かす方法
アルコールを多く含んだウェットティッシュで拭いて見たところ、確かに落ち
るのだが、乾くとベタベタが復活する上に拭いた所が白く残る。
これは白化と言う現象で、アルコールにより腐食して凸凹になってしまった関
係で,表面が乱反射して白っぽくなる現象らしい。つまり加水分解したゴムが
ちゃんと落ちていないために白くなってしまったようだ。
タンブラーのラバーコートされた内側はプラスチックなので、あまりアルコー
ルで擦ると、プラスチックが劣化してしまいかねないので早々に諦めた。
削り落す
これは最初からやっていない。
ラバーコーティングと一緒にイラストが剥げてしまう可能性と、下地がプラス
チックなので傷だらけになってしまう可能性があり削るのは最初から対象外。
加水分解を促進
加水分解を促進って訳判らんよね。
最初は汚れは酸性、加水分解した物質は酸性、重曹はアルカリ性だから中和し
ているんだと思っていたがどうも違うらしい。
詳しくはこちら
元々加水分解してべたついている状態を、重曹を入れた水溶液で更に加水分解を
進める事でべたつきを落せる…らしい。←この理屈であってるのか??
試しにやってみた。その1
手順
大さじ3の重曹を2Lの水に溶かし、タンブラーを2時間程漬けこむだけ。
2時間後
タンブラーを取り出して触るとヌルヌルする。
これを同じ水溶液で濡らしたタオルで強めに拭きとっていくと…あら不思議、
ベタベタが落ちた。
イラストはきれいに残ったままで、アルコールを使ったわけでもないのでプラ
スチックの白化もない
コーティングはすっかり落としてしまったので手触りはツルツルだが、普通に
使う分には問題無いので良しとする。
試しにやってみようかな?
さて、重曹を水に溶かすとアルカリ性水溶液になる。
あれ?最近アルカリ性水溶液の汚れ落とし剤ってのをどこかで見かけたような??
思い出した「水の激落ちくん」だ!
ラバーコーティングが加水分解してベタベタになった傘があるから、今度はコ
レを使ってみた。
傘の柄に満遍なく吹き付けて、サランラップをぴっちり巻きつけておけば良さ
そうだ…って事でお試しを始めて現在二日目。
試しにサランラップを取ったらヌルヌルになってべたつきが一部はがれた。再
度吹き付けて、暫く置いておくことにした。
結果はまた後日~
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント