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2014年1月16日 (木)

自作煙突ポート

テント内に薪ストーブを入れ、縦引きの煙突を幕内から出すための煙突ポートが
夕張の快速旅団で販売されている。
去年までは4,000円以下だったが、今年は倍以上に値上りした上に単体での受
注は休止との事
煙突ポート加工依頼すれば買えたらしいが、2014/1/15時
点でポート加工も通販メニューから消えていた。

煙突ポート自体は、30cm四方位の穴が開いた耐熱シートに雨避けのフラップと
テント固定用のマジックテープが縫い付けてあるだけの代物。
8,400円も出して買うのは躊躇われるブツだったりする。

さて、材料が揃っているが手を付けていない第二世代薪ストーブの横引き煙突
用にもう1枚欲しいと思っていたのもあるが、入手不可なら代替手段を考えなけ
ればならない。

結果……いつもの如く「自作してみる」という考えに至った。

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材料を集めて設計図を引こう!
使用生地選定
縦引きの煙突をテントから出す場合、一般的なナイロン幕では煙突の熱に耐え
られずに溶けてしまう。これを防ぐために幕に穴を開け、その一部だけを耐熱
布に置き換えるポートが煙突ポートと呼ばれるパーツだ。
さて、これは耐熱何度有れば大丈夫なのか?
・設置型薪ストの火室の適正温度は400~500℃、
・二次燃焼室は800℃もありえる、
・鋳物薪ストは部品が溶けるので300℃以上で稼働禁止。
・暖炉の適正な表面温度は200~300℃
・ナイロンの融点は200~270℃
快速旅団の煙突ポートの耐熱温度は不明だが、連続耐熱300℃以上で探すこと
にした。
見つけたのは↓
シリカクロスα 600V
 ¥3,087/m 瞬間耐熱:1800℃ 連続耐熱:1150℃
連続耐熱温度250℃もあったが、こっちの方が安かった。

基本仕様
基本的なスペックを考える。
・快速旅団の煙突ポートと同サイズにする。
・ポート外周のほつれ止めはリボンで覆うか、テープで囲うって留める。
・ポート内周(煙突が通る箇所)はアルミ泊テープでほつれ止めにする。

耐熱のケプラー糸でのほつれ止めも考えたが、糸自体が高価なので却下。

材料集め
連続耐熱250℃のスパッタシートよりも耐熱温度の高いシリカクロスのほうが
安かったのでw940mm x t0.6mmを1m購入
マジックテープはどっち面使うか忘れたのでA,B面を2mずつ購入
耐熱アルミテープを一巻

合計で7,000円弱だったかな。
生地に快速の煙突ポートを当てたら6枚分とれそうな感じだったので、実質的な
価格は1組2,000円切る感じだろう。

材料チェック
本当に、この生地で煙突ポートに耐えられるの?と疑問に思い試してみた。

ライターの火をあててみる。
ライターの火を

焚火に放り込んでみた。
焚火に
両方共、煤はついたものの燃えてはいない。
生地をカットするとホツレ易いのが判ったので縫製は気を付けないといけない
ようだ。
これなら問題無さそうだが、オーバースペック過ぎる気もしない事もない。

縫製開始
型紙作り
快速旅団の煙突ポートをベースに、工作用方眼紙で型紙を作る。
上部230mmx下部310mmx高さ300mmの台形となった。
これを生地にあてた上に、雨蓋部分を100mm程多めに取って切り取ることにした。
型紙作り

生地を切ろう
カッターナイフを当てサクっと切った。サクっとね。何も考えずにサクっとorz

ミシンの機能で布の端がほつれないようにする篝縫いと言う縫い方があるが、親曰く
うちのミシンではしっかりしたホツレ止めは出来ないとの事。
あれ~?ぴったしで切ったらまずいんじゃねえの?コレ?と切った後に気付くorz
ふむ、どうしようか?
裁断予定線

周囲はアルミテープでほつれ止め対策!
糸がほつれるのは、中央の煙突穴周辺と、周囲のカッターで切った部分。
雨蓋部分の煙突に当たる部分はメーカーが圧着してきたのでホツレる心配は無
さそうだ。
圧着してある

まずは周囲の対策としてアルミテープで固定した上に、マジックテープを重ね
て共縫いして固定

雨蓋部分の縫製
自宅の素材置き場を探したら、幅2cm程度のリボンが見つかったので雨蓋部分の
端を巻き込むように縫製

中央部
適当に穴を開ける。
快速旅団のは楕円穴だが、φ75mmの煙突が縦に通るのだから長方形でいい筈!
と適当に穴開けて、アルミテープで補強

んで、完成
完成

実戦投入
奇しくも、1/11-13はTAKAさん主催の煙突オフ開催日
このまま持ってってテストしちゃえばいいんじゃね?とばかりにハートランド
朝霧を目指すことにした。
このオフの詳細は、別途記事化予定~

煙突ポート装着!
快速旅団のとサイズで作ったのだから、問題無く装着OK
未使用の白さがどこまで持つのか!?

20時過ぎ?
ああ、まあ、なんつうかね。
二次燃焼用のパイプを入れ忘れて薪スト組みたてていたのは火入れ直後に気づ
いてはいたんだ。
自作薪ストだしパイプ一本程度無くても~とか甘く見てたのは認めるさ~

結果……

大量のタールが煙突外側を伝って、薪ストに落ちて来て大量の白煙と逆流発生!!
一旦薪ストの中身をB6君に空けて、パイプ入れ直しってのを月明かりの中で
白煙に燻されながらやったとさ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃

気を取りなおして……
組み立て直した後は不完全燃焼も無くなり、順調に燃焼~
ちゃんと二次燃焼していたのだと薪ストーブ第二作目を作成前に確認出来た。
材料だけ集めてある第二作目の薪ストーブの二次燃焼機構を見直ししないと
いけない事に気付けて良かった(=´∇`=)

翌朝
夜が明けた
残りの薪を一気に追加して、高出力燃焼テスト開始!
幕内の温度が一気に上がっていく!?
20℃、30℃、35℃で熱過ぎてテント外へ退避
さらに暫く放置してから中に入ると、43℃まで上昇してた。

そして、薪ストを外に出して鎮火。

煙突ポートは?
中央部のアルミテープが溶ける事もなく、幕内のポート周辺も問題無い。
幕内が40℃を超える状況ならほぼ間違いなく煙突頂点部は火を吹いていると思
われるがポートに異常は見られなかった。
煙突ポートは?

お世辞にも綺麗な出来とは言えないし、耐久性は何度も使ってみないと不明
ただし、ほつれ易い布なので縫製に気を使わないといけないのが面倒かな。

連続耐熱250℃、瞬間耐熱1300℃と言うほつれにくいスパッタシートもあるよ
うだが、全力運転時の煙突ポート付近の正確な温度が判らないと使えるかは
判断できない。

おまけ的なナニカ
煙突ポートが連続耐熱250℃で済むのであれば、オーブンで使えるシリコンマ
ットにマジックテープを縫いつけてポートを作るのが一番安上がりに作れると
思われる。
織物じゃないから解れる心配も無いし、シリコン用接着材を使えばミシンすら
不要だろうなあ。
誰か人柱で作らないかな(=´∇`=)
WILTON イージーフレックス シリコンマット(約24×38cm、160g、耐熱250℃)…1,575円


おわり

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コメント

こんにちは。

既にFacebookでは書いているのですが、僕も同じことやってます。
今サンプルを取り寄せている段階なんですが、専門家のアドバイスをいただいて4種類に絞りました。

投稿: ピノ | 2014年1月16日 (木) 12:53

追伸です。

僕が天入れているのは、ほつけません。
また、耐水性もありますし、某ポートと違ってシリコンコーティング炭化繊維系ではないので、煙突ポートにはさらに向いていると思います。

詳細は、来週あたりにアップできると思います。

投稿: ピノ | 2014年1月16日 (木) 13:13

>>ピノさん
ほつれにくいのは重要ですよね。
あとは生地の価格も重視したいところなので、生地情報の
アップを楽しみにお待ちします^^

投稿: 神流(かんな) | 2014年1月16日 (木) 13:37

初めまして。
ご指定のシリコンシートで試してみました。
念の為、煙突に軽く防炎シートを巻いての検証結果ですが、3日間かなりの量の薪を使用しましたが全く問題ありませんでしたよ。
かなり優秀な素材でした。

投稿: indy | 2014年10月16日 (木) 02:28

>indy さん
すいませんコメント見落としてました
さすがに1000℃対応でした。
うちの場合、薪スト本体から煙突ポートまでの距離は約1m
推定温度は250℃と見積もりつつもオーバースペックで
1000℃にしてみましたが、端処理を工夫すればそのまま
焚火台としても流用出来る気がしています。

投稿: 神流(かんな) | 2014年10月31日 (金) 10:40

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